先日蔵見学に行かせていただいた水龍のレポートです。
名前を継承すること。
149年前から続く中野光次郎本店
現在では、県内で唯一の襲名制度を取っており、現蔵元で4代目。
芸名とは違うので戸籍上の名前となる
名前を継承する事で、生まれた時から命運が決まるわけだが、反発などは無かったという。
襲名する事で、常に意識出来てきた事から、農大卒業後、全国から集まる仲間達は一度他の仕事に就くが、自分だけは、即、蔵へ戻りお父上と二人三脚で酒造りを始めたと。
目指すは、地酒蔵。
賞を受賞する事を目的とした造りではなく、地元に愛される酒造りをする事が小回りのきく地酒蔵としての役割だと。かといって全く出品しないわけではなく受賞した際の賞状が額装されずに釘打ちだった事が印象的だった。
自分の目指す酒造りからブレないように釘を刺しているとのこと。
先人達の知恵の結晶をいまに。
創業以来のままの蔵のつくりは
柱は石の土台の上に乗せてあるだけで特殊な瓦を用いた屋根の重みで押さえている。かつて呉地方を襲った地震の際も揺れをうまく逃し、土台からずれただけで、崩壊には至らず。
南方地方の酒蔵にはよくある特徴の沢山の窓を利用し、その開閉で温度調節をする。日々の外気温をみて、外の空気を利用する自然派醸造だという。
そういった先人達の知恵の結晶を、受け継ぎながら進化させて行く事も大事な役割だという。
仕込みタンクがステンレス製で周りを一定の量水を流して温度調節するジャケットタンクを始め、蔵元のアイデアは至る所で光っている。
歴史が紡ぐ良質な水。
また日本酒の原料大部分をしめる水をとても大切にしている。
まず、水龍の名前の由来から
初代中野光次郎が泉の中から龍が出る夢を見た事に由来する。水と水の神の龍から、水を大切にという教訓も含まれるのではと。
蔵内の5つの井戸から湧き出す出水は
呉の地名の由来のひとつとしてある、九つの峰からその水脈をいただいている。その超軟水で仕込みをしている。
戦火を免れた吉浦は、戦前の水が出ており、良質な水が今も。
3年前から始められた酒造期の蔵見学は、地酒蔵として、顔の見える付き合いが出来、知的好奇心を満たすセミナーとして行っておられる為、五感を通して学び取る事の多いこと多いこと。
正月明けの富山研修をきっかけに、地酒を通してその土地の歴史的背景や特徴も同時にお伝えしていくことに意義を感じて学びたいと思っていた我々には本当に良きタイミングで、良き機会に恵まれました。大変勉強になりました。ありがとうございます。
さて、見学の際に搾り目前のもろみも見学させてもらったのですが、そちらが
昨日、無事に搾りたてホヤホヤ超超限定酒として入荷済みです。
軟水ならではの口当たりのまろやかさとスカッとした酸味の飲み口に、次々と杯が進むお酒となっております。
明日以降、飲めます!
よろしくお願いします。
たえこ、