岸本食堂のブログ 公式

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お酒を温める

熱燗のいい季節になってきましたね!

日本では今でも熱燗があり【お酒を温める】という行為が当たり前ですが、世界的に見ればとても珍しい事なんです。

では、なぜ【お酒を温める】ようになったんでしょう?

そして現代までその習慣が残ったのか?

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熱燗が飲まれるようになったのは、平安時代からだそうで、新し物好きな貴族たちが飲み始めたのがきっかけだったとされています。

平安時代に記された「延喜式」には【燗鍋】の風習に関する記録があり、当時は季節によって行われており、一般庶民が一年中熱燗を飲むようになったのは江戸時代に入ってからだといわれています。

そして江戸時代に入ると、これまで直火で呑んでいた熱燗は、ちろり・徳利で作られるようになり、益々世の中に広がったとされてます。

 

と、ここまでは調べれば出てくる資料なんですが注目したいのは、3つのキーワードです。

まず①に「熱燗が世間に普及するまで時間」

詳しくは平安時代中期以降からなので、そこから江戸時代まで約500年間をかけて燗酒文化はジワジワと世の中に広がっていったと考えられます。

②は「貴族から一般庶民という階級の流れ」

有名人などの格好を真似して流行っていくのは昔も同じだったようです。

③は「新しい物好きな貴族たち」

有名なインスタグラマーやYouTuberの人達はいかに注目されるか、自分たちにしかできない事は何かを考えてるはずです。

 

ここからは、歴史書などを読み合わせ妄想も膨らませながら辿り着いた物語です。(笑)

 

まず当時は冷蔵庫もないですし、貴族も庶民も同じ様に常温のお酒を呑んでいたと考えられます。

この「庶民と同じ呑み方」というのが貴族たちのプライドが許せなくなっていきます。

夜な夜なノミニケーションをしながら…

「真似できない呑み方はないか?」

「新しい呑み方はないか?」

と話し合っていた事でしょう。

そのカギは「貴族にあって庶民にないもの」

答えは…贅(贅沢)でした。

そこで当時の一番の贅沢とはなんだったのか?

それは【火を使う行為】でした。

使用人を使い時間をかけて火をおこさせ、温かい料理を食べたり、お風呂(蒸し風呂)にはいったり、それらは貴族の特権でした。

そこでひらめいたのが【お酒を温める】行為。

【熱燗】の誕生です!

 

そこから徐々に時代はかわっていって火も使われるようになり、庶民の間でも「これが貴族の呑み方かー!」と燗酒文化が流行っていったんだと思います。

この「貴族たちのプライド」と「長い時間をかけて広まった」お陰でいまでも【お酒を温める】習慣が根付いてんだと思います。(もちろん現在では燗にする美味しさや身体に優しい等もあります)

 

 

そしてここからは100%妄想です。(笑)

ふと疑問に思ったのは、今の私達でもお燗を適温で提供するにはそれなりの知識や経験や器具も必要です。

それを当時、プライドからの思い付きで、しかも直火でやっていたなんてとても美味しいお酒を愉しんでいたとは思えません。

おまけに当時のお酒はそこまで発酵力もなく、燗にするよりそのままのほうが美味しかったかもしれません。

それでも貴族たちは「これぞ贅を尽くした貴族の呑み方だ~」なんて言って呑んでたんでしょうね。中にはきっと「そのままのほうが絶対に美味しいんだけどな~」なんて愚痴を言ってた貴族もいたかもしれませんね。

そして時は流れ、庶民も口できるようになった江戸時代。(酒造りの基礎はほぼ江戸時代に確立されたと言われています)

酒造りの技術も向上していて、熱燗にしても美味しい日本酒を庶民たちは愉しんでいたことでしょう。

 

【まとめ】

平安時代の貴族たちが味ではなく‘’映え‘’の為に熱燗を呑んでくれたお陰で、世の中にジワジワ広まり、その間に酒造りも進化して流行りきる頃には庶民は美味しい熱燗にありつけた」という事ですね。

めでたし!めでたし!

 

もし「熱燗が苦手」と思ってる方もこういった歴史的背景を妄想しながら‘’燗映えする日本酒‘’を試してみてはどうでしょうかー?

 

注)これはあくまで岸本の妄想です。

お付き合いありがとうございました!!