「シズル感」・・・あまり聞きなれない言葉ではないでしょうか、、、。
僕もこの世界に入ってから知りました。
今日はそんな料理の世界の業界用語を紹介します。
食材や料理の写真を撮影する際に、よく求められる言葉らしいのですが、正確な定義はなく、感覚的に使われることが多いようです。
「SIZZLE(シズル)」とは、簡単に言えば肉のジュージューと焼ける音をいうのだそうですが、撮影上その食材の持つ素材感や美味しさを連想させる雰囲気などを指します。
一般的には、素材を盛り付けてイメージアップされた静的なシズル感と、湯気や調理している瞬間の放つ動的なシズル感があるようです。
でも、それだけではないと思うわけで、、、(ここからは僕なり解釈です)
まず、食べ物の美味しさのポイントとして「みずみずしさ」がありますよね。 みずみずしいといえば、肉汁や旨汁といったように、すぐにイメージできるものは「汁」です。 思うに、シズル感という言葉は語感からして汁っぽいです。 焼けた肉から踊るように滴る、旨味をたっぷり含んでそうなジューシーな脂の汁や、果物を丸齧りした時に指の間から溢れる甘酸っぱい果汁。 シズルという字面を見ただけで、この汁気が口中の腺という腺を刺激します!!
更に「ズル感」は、みずみずしい汁たっぷりの料理を口にした時の感触・・・。といえば「ズル」です!脂ののった「黒毛和牛のたたき」をおろしポン酢でズルッと! 濃厚な酸味たっぷりのオレンジをズルッ。蕎麦をズルッ。饂飩をズルッ。シズルという字面を目にしただけでヨダレがズルッと来るのが健康の証です!!
「汁感」と「ズル感」の相乗効果、これこそが「シズル感」というコトバのキモなのです。コトバ自体にここまで力があると、語源やら由来やら、小難しい理屈は必要ないという好例だと思います。
実際は、「シズル」は英語なのですが、きっと英米人も汁感を感じているのではないかなぁと・・・。(笑)
ちなみに写真はシズル感たっぷりの、橙一押し「自家製炙りチャーシュー」です。